レディ・プレイヤー・ワンにしこたま感動した話

レディ・プレイヤー・1見てきました。わくわくと感動の嵐で号泣しました。
個人的に何に感動したのか書き留めておきたかったので久々に大会運営以外で更新。





※ネタばれ注意です。






あんまり長々書くと自分でもわからなくなるので3点だけ
1点はエンターテイメントとの接し方とその感謝の気持ち。
この作品の最後の最後、パーシヴァルとハリデーのやり取りが何かに取り組む際に今後、一生忘れてはいけない気持ちだと思います。
※ちょいセリフうろ覚え
パーシヴァル「ハリデーは死んだんだよね?」
ハリデー「そうだよ」
パーシヴァル「これはアバター?」
ハリデー「ちがうよ」
パーシヴァル「それじゃあ、あなたはいったい何者なの?」
ハリデー「…遊んでくれてありがとう」

このセリフで涙が止まらなくなりました。
ハリデーはこの作品中「オアシスは僕が作った作品だ!」と言ったり、
その前の試練でアリカのアドベンチャーイースターエッグで作者名を出す裏ワザを回答として用意したり、
「誰が何を作ったのか」意識させる演出がありました。
ただ、死してなお、残り続けた彼の意識(本当はなんなのかは不明ですが)から出たのは
ただ、作った人間として遊んだユーザーへの感謝の言葉だった。
この一言は何か物事をするうえで一生欠かせてはいけない一言。
「誰が何をした、などは関係ない、ユーザーが自分が作ったものへの熱意と誠意に対しての感謝」なのです。

ネット社会が発達して「何かをつくる」「何かを始める」ということは難易度が下がり、
そこらじゅうで起きていることです。(日曜から夜更かしもその一つ)
ただ、そういう活動をしているとどうしても「俺がやった」「自分のおかげで」といった感情が少なからず芽生えてきます。
(全く芽生えない人もいるかもしれませんが)
下手したら「この業界は俺が引っ張っている」とまで思っている人もいるかもしれません。
現にハリデーも同じような感情を劇中、持っていたようですから。
ただ、ゲームを作り、世界的人気になり、ただのゲームではなくなってしまい、そして様々な後悔の念を抱きながら死んでいった。

それでもこの気持ちだけは絶対に伝えなければならなかった。
感謝、自分の世界に目を向けてくれた感謝なのです。

また、本作の特徴として様々なIP(知的財産、要するに元ネタありのもの)タイトルが出てきます。
知っている作品、知らない作品、人それぞれだったと思います。
そこから一歩踏み出した考えが「じゃあ登場した作品、誰が作ったか知ってる?」という考えです。

大きなタイトルはみんな知ってると思いますがもっと細かく見れば例えば
キングコングのデザイナーはだれか
とか
ガンダムのデザイナーはだれか
とか
波動拳の名前をつけてのはだれか
とか

今まで自分らが楽しんできたものを作ってきた人の名前、みんな全て知ってますか?
答えは全ては知らない。
知らなくても「俺はガンダムのファンだ!」や「波動拳一日何百発打ってます!」みたいな人はいるわけです。
楽しい!ということに「誰がつくったのか」はユーザーにとってはたいして重要じゃないのです。
そして何か一つの物事を楽しむのに「誰が作ったか」は不明でも全く問題ないのです。
これが名前を答えなかった理由の一つでもあると思います。

であると同時に「作った人間として君が楽しんでくれれば何も言うことはない」という気持ち、
それが合わさってでてきた言葉が「…遊んでくれてありがとう」なのだと思います。
この気持ちだけは仕事、趣味、ほかの実生活においても何よりも大事な、作る側の気持ちだと思います。
レディプレイヤー1は何よりもそれを壮大に美しく、端的に表現してくれました。
脱帽です。

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2点目はスピルバーグが言ったら究極の説得力、「リアルは現実にしかない」
スピルバーグは僕が生まれる前から映画を作り、世に新しいエンターテイメントを提供し、
多くの人類に夢を見させてきました。

そんな人間が「リアルは現実にしかない」ってずるくないですか?
そんなん誰も反論できなくないですか?
それを除いてそれをしっかり表現する映像制作がされているのが素晴らしいの一言。

この作品、ピンチなのは基本、現実なんですよ。
ゲーム内は特殊なアイテムとか使って結構難なく切り抜けちゃう。
現実は逃げる一方だったり大事な人が死んだりとかなり厳しい状況が続きっぱなし。

そんな苦しい状況の中、ネットで知り合った仲間と出会い、恋に落ち、友情をはぐくむ。
苦しい状況も楽しい出来ごとも全部、現実で起きてるんですね。
ハッピーエンドの最後も現実でのシーンですし、景品である「ゲームの運営権と賞金」も現実のものです。
オアシスほどリアルでなんでもできるゲームができたら、そりゃみんな現実よりそちらを向くでしょう。
ただ、本当のリアルで重要なことは現実でしか待っていない。
「現実こそ、自分の手で作り上げる自分の世界」なのです。

作中でもパーシヴァルは現実が嫌で、オアシスで遊んでいる。
一方でアルテミスは現実で戦うためにオアシスをプレイしている。
そんなアルテミスをパーシヴァルは魅力に感じる。
そこからグッと現実の重要性が浮き彫りになってくるんですね。

もう作品の作り方が完璧。ずるいとしか思えません

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3点目は話題の「俺はガンダムで行く」
ここにめちゃくちゃ「ゲーマー的武士道」を感じるんですよね。

ガンダムで行くってセリフの時、味方から助けを求められ、
敵はメカゴジラを出してくるし、ゲーム内でもピンチの状況。

そこで作中ではだれにも通じない日本語ではっきりとした声で言うんですよね
「俺はガンダムで行く」って。
しかもそれが
・変身アイテムである
・3分間で消滅してしまう(この辺はウルトラマンのオマージュでもあると思いますが)
・相手はガンダムの何倍もでかいメカゴジラ
・勝てる要素は薄い

とかもうね、ゲーマーとしての命を懸けたなって感じなんですよ。
推測ですけどガンダムに変身するアイテム、めっちゃレアなんじゃないんですか。
ずっと大事にとっておいたんじゃないんですか。
ガンダムで挑んでも勝てないんじゃないんですか。
死んだらガンダムどころかほかのアイテムも全部きえちゃうんじゃないんですか。
「俺はガンダムで行く」
その覚悟はだれにもわからないんじゃないんですか。

今までの自分のゲーマー人生をかけた一言と行動じゃないですか。
彼のその一言が最終決戦への覚悟と仲間のために戦う気持ち、すべてを表してる。
素晴らしい。
ネタとか抜きにして日本人ゲーマーとしてのプライドを感じたんですよね。
本当に素晴らしい。
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レディ・プレイヤー1
本当に素晴らしい作品でした。

人として生きていく糧というか根本をエンターテイメントとして昇華させて
人類に伝えている、素晴らしい作品。

出会えたことにただただ感謝します。

もう一回見に行きたいと思います。