個人的!LOL公式リーグLJLから見るe-sportsが「スポーツになりえてない」現状

先日、e-sports SQUAREからこのようなツイートがあった

https://twitter.com/e_sports_SQUARE/status/787177384747208704

お客様へ、eスクで店舗イベントを企画する上で参考にさせて頂きたいことがございます。『Q.League of Legendsはプレイするけど、LJLを観ないのはなぜでしょうか。』回答頂ける方は、リプライをお願いします。

※LJLとは
LJLとは『League of Legends Japan League』の略称です。RIOTによる日本公式リーグであり、最高峰のプロゲーマーを擁する各チームが優勝を争っています。
公式HPより:http://jp.lolesports.com/

このツイートからにLOLで新規企画を考えているけれども現状は視聴者数や満足度が低く、ユーザーの生の声を聞いて改善点を探す、といったところだろう。

また、ツイッターで募集しているところから、「オンライン上でのやり取りや配信視聴者数」に問題があるとみている、ともいえる。

この問題はLOLに限らず、e-sporsと呼ばれるものすべてにあげられる問題の1つであると個人的に考えている。

個人的「スポーツ」についてだが、運営がいて、プレイヤーがいて、ファンがいて、お金が回り、ようやく成立するというものだと考えている。しかし、現状は運営やスポンサーが先走り、プレイヤーが引っ張られ、ファンが追い付いておらず、お金も回らないといった印象を受ける。

特にオンラインがユーザーの主戦場になっているe-sportsでは配信視聴者数は大きな指標の一つとなるだろう。

自信で配信しているGGXrdRの大会でも「視聴者数」については伸び悩んでいる。
有名プレイヤーが多く出場した回でTwich同時視聴者数100越え、平均で50〜60といったところ。
大会参加者には運営上、配信視聴を依頼しており、大会参加者は平均30名なので、それを除くと純粋な視聴者数は20〜30といったところだ。
自分としてはGGXrdの面白さを広めたいという気持ちもあり、大会を実施しているのでこの視聴者数に関してはもう一歩伸ばしたいと頭を抱えている現状だ(時間が日曜日22時〜というのも原因の一つだが)。

その配信視聴者数の伸ばす答えへのヒントが、先ほどのe-sports SQUAREからのツイートに隠れているように思えた。

運営面、プレイヤー面、そしてユーザー面からの視聴しない理由リプライをまとめてみた。

※一人一人の意見をしっかり見たい人はご自身で先ほどのツイートの返信欄を確認いただきたい
※横にある数字は同じ意見を書いていたリプライの数。1人のユーザーによる複数回答もある
※意見をまとめるため、独断で同一票としてまとている意見もあるのでご了承いただきたい。

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総票数:43

▼運営、大会の進行について:22
・運営への不信感:7
・選手やチームの売り込みがない。ゲーム外の情報が少なく(どのチームが強い、誰が強いなど)見所がない:7
・解説がなくわからない:2
・プロなのに身内感が強い:2
・実況が面白くない:1
・賞金がしょぼい:1
・選手の入れ替わりが激しく、お気に入りの選手が見つからない、出てこない:1
・インターバルが長い:1

▼プレイヤー、試合内容、ゲーム内容について:17
・うまいプレイを見たいなら海外を見た方がいい。海外の方がレベルが高い:6
・見るよりプレイした方が楽しい:4
・試合時間が長い:3
・日本のレベルが低い:1
・選手のマナーが悪い:1
・自分がプレイしているチャンプがピックされない:1
・選手の入れ替わりが激しく、お気に入りの選手が見つからない、出てこない:1

▼ユーザーについて:4
・一緒に見る人がいない:2
・見てるファン層がきもい:1
・プロの試合を見るという発想がない:1

分母が少ないデータではあるが「何が理由で見られないか」というのは露骨にわかる結果になったと思う。

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①運営、大会について
今回の返信数の半数がこの運営や大会進行についてだった。
特に多かったのは「運営への不信感」と「大会にのめりこむ要素の少なさ」だ。
大会への不信感に関しては過去LJLはオンライン大会であることを参加選手が利用し、エントリーした選手とは別の選手がプレイしていた、ということが問題になった。

参考:LJL不正疑惑、替え玉疑惑まとめ(http://lolsokuhou.com/2472

そこに対して運営からの明確な対応、改善策の提示がなかったようだ。
その対応がそのまま運営への不信感につながり、「大会やゲーム内容関係なく、LJLの配信はみない」という考えになっているようだ。

大会運営と不信感に関しては「LJL」のみならず、格ゲー大会において切っても切れない関係にある。
一方で大会やイベント開催者なら同意いただけると思うが、トラブルやミス、不祥事が全く起きないで全てスムーズに進行するケースはまずないと断言できる。
重要なのは発生した際に、どのような対応をするか。それによっては不信感どころか逆に信頼感を得ることもできるのではないだろうか。
運営への不信感に関しては視聴者数を伸ばす、新規を獲得するという方面ではないと思うが「今いるユーザーに対して誠意を持って対応する」ことにより現状興味を持っているユーザーがコアなファンになるきっかけとして非常に重要な部分といえるだろう。

もう一点は「大会にのめりこむ要素の少なさ」である。
これは一目瞭然、運営側が選手と試合を魅力的に見せれていないからだ。
ゲームの大会になると基本ゲーム画面を映す。その結果それ以外の情報が弱く、「そのゲームをしている人は何がすごいのか」「どういう人なのか」が全く見えてこないのである。

そういった選手を魅力的に見せる、といった部分が非常にうまく出きているのが野球だ。
野球選手は打席に立つたびに野球人生を毎回のように実況解説が説明する。
今日の成績は、去年の成績は、対戦チームとの戦績は、相手投手との戦績は、
最近のプライベートは…。そういったものが積み重なり、選手の魅力がユーザーに伝わっていく。
また選手の個性を付けるため多くの賞を用意しているのも見逃せない。
ベスト9やら沢村賞やら新人賞やらトリプルスリーやら…あげればきりがない。
ただ、そういった評価がそのまま選手の代名詞となり魅力となるのだ。

残念ながらe-sportsにおいてそういったシーンは現在あまり見られない。
高度なプレイ、ゲーム画面は動画配信が当たり前のように普及した今、誰でも見れてしまう。
その場のプレイで魅せる、というのもプレイヤーの魅力にはなるが本当に代名詞となるような試合や動きがなければなかなか定着しない。
そこで重要になってくるのが外の情報、といえるだろう。人間は意外にシンプルで同じ出身地というだけで「応援しよう」と思ってくれたりする。それをメインの大会の配信内、視聴者数が多いメインコンテンツで同時に行うことがベストといえるだろう。

本当にe-sportsとして普及していくためにはゲームのファンや大会のファンでもなく「プレイヤーのファン」を作ることが何よりも大事だと考えられる。

②プレイヤー、試合内容、ゲーム内容について
ここで一番多かったのは「うまいプレイを見たいなら海外を見た方がいい。海外の方がレベルが高い」
というものだった。ユーザーがゲーム画面を見るとき、見たいのは「レベルの高いプレイ、参考になるプレイ」のようだ。また、先ほども書いたがゲーム配信においてはプロレベル、プロ以上のプレイが無料で見れることはもう当たり前だ。「レベルの高いプレイ、参考になるプレイ」というのはe-sportsを展開するうえでのスタートライン、大前提といえるだろう

そして、見るより自分でやる方が面白い、というのが次点だ。
これは「見る面白さ」を広められていない運営側にも問題があるといえる。
スポーツはファンがお金を落としてようやく成立する。そこには間違いなく「見る面白さ」が必要だ。
これは先ほどの「選手としての魅力」とつながる部分でもある。

一方でこれは題材としているゲームによる部分も大きく影響する。
どのゲームを用いてe-sportsを盛り上げていくのか、そのスタートの部分から考えていく必要があるといえよう

③ユーザーについて
そして最後の「ユーザーについて」は一番少ない結果となった。
個人的に予想外ではあったが、逆に言えば上記部分を訴求できればユーザーはしっかりと配信を見てくれるといえる。
そんな単純なものではないのは重々承知しているが、改善点が直せればe-sportsとしてより前進できる、現状においては少し先の問題、といえるだろう。

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▼まとめ
誠意を持った運営対応と、ゲームではなく、プレイヤーをいかに魅力的に見せるかが今後のカギといえる。
ゲームは運営としてコントロールは絶対できない。
試合内容も手を加えることはできない。できることはそれらをどれだけ魅力的にユーザーに伝え、楽しんでもらえるか。
ただ、やるだけ、配信するだけでは現状誰も目にとめてくれず、運営側の努力が空回りするだけだ。
(正直、イベントを開催する、配信するだけでも相当の労力を使うのである…)
より楽しいコンテンツ、よりゲームの面白さ、見世物としての楽しさを見出すには他の物を参考にしつつ、ゲームならではの新しい面白さの伝え方を考え、独自の文化を形成していくことが今後必須といえる。
まとめてみれば「そんなことか」といったものだったが個人的に文章として形にまとめたことにより、明確に次にしたら面白そうなことが見えてきた。

今後の業界の動向に注目しつつ、自分の大会もより面白く、盛り上がるように取り組んでいきたい。